2018年2月6日一般質問Q&A きみがき圭子
1、区長の基本姿勢について
Q:最後に発刊された1996年版「憲法のしおり」には日本国憲法、地方自治法、教育基本法、児童憲章をはじめ、各宣言、さらには憲法問題の動きが細かく年表で記載されている。
憲法9条は不戦を誓った国民が、政権に歯止めをかけるもの。その憲法が戦争できる国にするために変えられようとしている今、再び「憲法のしおり」を発行し全区民・職員へ配布し、憲法への理解を深めるはたらきかけをして、区長は憲法尊重擁護義務を果たすべきだが考えは。
A:「憲法のしおり」を改めて発行する考えはないが、憲法への理解が深まるよう、引き続き平和推進事業を実施する。
Q:1983年に決議した非核都市練馬区宣言は「練馬区および練馬区民が核兵器の廃絶と軍縮にむけて努力する」ことを宣言したもの。この宣言が何のためにあるのか、その重みをかみしめ、形だけのものに終わらせないためにも「核を抑止力」と信じる国に対し、核兵器禁止条約に署名するようはたらきかけるべきだが、区長の考えを伺う。
A:「核兵器のない世界」へのプロセスは高度な政治判断が必要であり、区は意見を言う立場にない。
Q:区長の言う「参画」は「参加」に過ぎない。「区民参加」が区民の参画と区長が考えているのならば、アクションプラン素案にわざわざ示す「参画」は何か。区長の考える参加と参画の違いを明確に示せ。
A:参加・参画と言った言葉の使い分けには拘っていない。意図的な区別もしていない。大切なのは、ラベルやレッテルではなくて言葉の中身だと信じている。
Q:区民の参加・参画なくして協働はありえないことを認識するべき。「練馬ならではの新しい自治」を創造するにあたり、区民の参画を明確にしたうえで新たな自治基本条例を制定すべきと考えるが、区長の考えを伺う。
A:すでに区民との取組みを進めている。改めて、条例を制定する考えはない。
2、男女共同参画計画について
Q:2018年度におこなう「第5次男女共同参画計画」に向けての調査では、区民の労働と生活の実態を把握するものでなくてはならない。身近な自治体が実態とともに区民意見の把握が重要。これまでの実態調査が施策に活かされているのか、検証を含めて区の考えを伺う。
A:2018年度に実施する男女共同参画に関する意識と労働の実態調査の結果は、練馬区男女共同参画推進懇談会にも報告し、現計画の取組みの評価と次期計画の策定に活用する。
Q:練馬区においても憲法が保障する基本的人権の尊重に基づいた、男女平等社会を実現し多様性を認める条例の制定について、区民参画で取り組むことを検討すべきだが、考えを伺う。
A:事業の進捗状況や成果は懇談会や運営委員会で議論し、協働で進めているため、条例を制定する考えはない。
3、介護保険事業計画について
Q:次期計画について区民の意見を募集するにあたっては、施設介護、在宅介護、介護予防、認知症対応などの事業が、区民が負担する介護保険料に金額としてどの程度影響するのかを明らかにし、わかりやすく説明すべきだが考えは。
A:説明会では介護報酬や制度改正が未確定であったため、保険料額は示さなかったが、整備計画や取組を説明し意見を聞いた。
Q:「共生型サ-ビス」は、社会保障費削減や介護人材不足の解消が目的に、福祉の現場に「効率化」や「生産性の向上」を求めることにならないか、ゆくゆく質の低下につながらないか懸念する。共生型サービスはどのような理念で介護保険に入ってくるのか、介護のリスクに応える介護保険と障害福祉サービスを統合することに矛盾はないのか。
A:障がい者が65歳になっても、引き続き使い慣れた事業所で、介護サービスを利用できるための制度。介護保険と障害福祉のサービスを統合するものではなく、質の低下や矛盾につながらない。
4、エネルギー施策について
Q:ビジョンに掲げる自立分散型エネルギー社会の実現に向けて、環境、安全性の両面から考えても原発に依存しない、自然エネルギーによる地産地消こそ本当の自立と考える。
今後エネルギービジョンの見直しにあたって福島第一原発事故の反省から原発ゼロ、自然エネルギー100%への転換をめざすことを明記するべきと考えるがどうか。
A:原子力発電は国のエネルギー政策で扱うので前提にしない。自然状況に左右されるなど安定供給に課題のある自然エネルギーだけに頼る考えはない。
Q:都は2016年度から再生可能エネルギーを電源とする地域新電力から電力を購入、都内施設に供給している。昨年清掃・エネルギー等特別委員会で視察した福岡県みやま市の「みやまスマートエネルギー」とも連携している。しかし、区は2016年度の導入状況が本庁舎を含め135施設で、再生可能エネルギーわずか3%の東京電力、小中学校22校で東京エコサービスである。環境への配慮を考えれば、区内施設への太陽光パネル設置も積極的にすすめるとともに、PPSも再生可能エネルギー100%を電源とする地域電力を選ぶべきだが区の考えは。
A:区や事業者、管理組合に太陽光パネル設置の補助行い、普及させる。区立施設は新築、改築時に可能な限り整備する。PPSについては、環境省が定める基準に準拠し、CO2排出係数等、環境に配慮し、かつ安定供給できる事業者を入札で決める。
5、若者の居場所について
Q:スクールソーシャルワーカ―については、これまで学校長から要請がないと派遣しなかったために迅速な対応ができなかったことを私たちは問題ありと指摘してきたが、アウトリーチ型に変えたことは大きな前進と考える。報告のあった不登校生徒475人のうち現在トライに入室している生徒188人以外の約280人について、どこでどのように過ごしているのか学校や各機関で把握しているのか。来年度はスクールソーシャルワーカーを16人に倍増し、不登校の未然防止、初期対応を強化するとしているが、どのように対応するのか具体的に示せ。
A:入室の有無にかかわらず、学校は家庭と定期的に連絡を取り合い、関係機関とも連携して児童生徒の状況を把握している。スクールソーシャルワーカーを4名ずつ4地域に分けて、定期的に学校を訪問する。登校渋りの段階から情報収集、学校と支援方針を検討。本人への登校支援、必要な関係機関との調整を行い、不登校の未然防止、初期対応に力を入れる。
Q:ねりま若者サポートステーションでは学習や就労の支援だけでなく、一人ひとりに寄り添い、生活をまるごと受け止める支援が必要。しかし、区としては国の事業であり、進学や就労につながった数値での事業実績を成果指標としている。そのためサポステで実際に若者たちと心を通わせ、結果を出すことだけに捉われない支援をしたいと考える職員の熱意と、区が求める実績との間に距離があるのではないかと心配するがいかがか。
A:区が求める若年無業者等への施策の方向性と、委託事業者の事業計画を充分擦り合わせている。職員の熱意と区が求める実績との間に距離があるとは考えていない。
Q:児童館は0歳から18歳まで利用できる施設。私たちは中高生の居場所として、中高生タイムを大切にしてきた。昨年の子ども議会で中学生が「中高生が児童館に行きたくなるようにするための方法について」提案しているのに、「児童館は基本的には小学生が中心となる施設であるため、小学生の利用を妨げてはいけない。こういった中でできることを考えていきたい」という区長の講評では「自分たちの居場所ではない」と残念に思ったはず。児童館を小学生が中心と位置付けるのであれば、中高生や若者が中心となる施設を新たにつくるべき。今一番居場所を必要としているのは中高生や若者だということを認識しているのか。
A:児童館は乳幼児から高校生までの子どもたちの居場所であり、交流の場であると位置づけている。中高生の利用者は約4万4千人となり、2014年度と比べ2年で21%増えた。区長の講評は課題があることを示したもので、中学生の提案を否定したものではない。
Q:区内に春日町、南大泉と2か所青少年館があるが、一般の利用が多く、青少年が自由に使える施設というものではない。部屋を使うにも青少年団体として登録しないと無料にならならない、フリースペースがない、など青少年の居場所としての課題がある。今後見直し、充実を図るべきと考えるがいかがか。
A:中高生の居場所などの児童館機能等とあわせた再編の検討に着手している。引続き多様な活動の支援を図る。