2018年6月14日一般質問Q&A きみがき圭子

2018年6月14日一般質問Q&A きみがき圭子

 

1 区長の基本姿勢について

 

①「参加から協働へ」について

Q:所信表明で区長は「『参加と協働』から『参加から協働へ』と更に前に進め、深化させなければならない」と述べた。「参加から協働へ」と変わることで何が前に進み、深化するのか。また、これはこれまでわたしたちが言ってきた、企画の段階から平等な立場で参加する「参画」を意味することなのか。

 

A(区長):区民防災組織や高齢者の見守りなど町会・自治会の活性化、街かどケアカフェ、みどりの区民会議など具体的な取り組みを進めてきた。これらが「参加と協働」で、「参加から協働へ」と踏み出している。「参加」ではない「参画」とは何か、抽象的で意味が不明。

 

Q:区長は「区民と意見交換を重ねてきた」と言うが、計画に反対する区民は「区別する」と排除し、対話をする姿勢が見られない。地域課題について賛否両方の声を区長が直接聞き、合意形成に向けて対話を重ねることで地域が活性化すると考える。対話のプロセスは重要視せず、最終判断は区長自らが下すとの考えが見受けられる。協働は対等な立場でこそ実現できる。そのためには徹底した情報公開も必要である。

区長の考える「23区の先頭を切って進む自治体行政」とは一体何をものさしにして判断し、誰が評価するのか。また、「新しい政策の展開、区政運営の改革、参加から協働へ」の全てにおける「新しい大都市自治」とはどのようなことか。

 

A(区長):具体的な取り組みを進めてきたことが、「参加と協働」であり、「新しい大都市自治」であると考えている。これを区政全般に広げる「改革ねりま第Ⅱ章」は、今回の選挙でも区民の支持を得た。

 

②女性の人権について

Q:区報に掲載された区長初登庁時の写真は、男性職員ばかりで、女性職員の姿がないことに違和感をもち、区民からも指摘があった。人事担当者からその理由を「幹部職員が集まったから、男性のみが写った」と説明された。女性幹部職員が少ないことへの問題意識をもっているのか疑問をもった。「練馬区人事・人材育成改革プラン」では、「女性の活躍の推進」を取り組みのひとつにかかげている。しかし、この2年間、課長職は18人、部長職は3人と横ばい。「練馬区職員ワーク・ライフ・バランス推進計画」では、女性の係長職昇任選考の受験率の目標は、2019年度までに10%以上だが、2016年度の実績は5.4%で、ほど遠い状況だ。また、「人事・人材育成改革プラン」では、職員全体に占める女性の割合は約55%だが、課長職は約20%、係長職は約35%で、女性職員が昇任を躊躇していると分析している。

区長は女性の登用について、現状をどう認識し、どのように女性活躍をすすめるのか。

昇進を躊躇している女性職員に対し、子育てや介護を支援する環境整備が必要。

 

A(人事戦略担当部長):男女を区別せず、勤務成績など昇任選考制度に基づいて選抜してきた。管理職では23区の平均を超える女性の登用となっている。「練馬区人事・人材育成改革プラン」に基づき、女性職員活躍促進の支援、育児や介護に配慮した昇任制度の推進、働き方改革を推進していく。

 

Q:2015年「練馬区男女共同参画意識と労働実態調査の事業所調査」で、「私生活について、必要以上に話題にする・性的な話をする」などのセクハラについて、「いずれか問題になった」「実態としてはある」を合わせて約30%だったが、防止・対応策を実施している事業所は、わずか16.4%だった。ハリウッドを発信源とした、セクハラや性的暴行による被害を告発・共有する「#MeToo」の動きが、世界中に広がり、日本では官僚や政治家の「意識」の低さが明らかになった。

区長は人権の問題として、セクハラをどのように認識しているのか。

セクハラの背景には、男女の固定的な役割分担意識がある。区長は、「セクハラを許さない」という強い姿勢を示すべき。

 

A(総務部長):セクハラは個人の尊厳を傷つける、あってはならない行為と認識している。第4次男女共同参画計画の「事業者向けの機会均等・待遇の確保についての啓発・周知」に基づき、育児・介護休業法など働き方に関するセミナーを開催している。社会保険労務士と連携した労働環境の改善などの相談対応、都の労働相談などの情報提供、権利や制度について講座を実施し、労働環境確保の支援をしている。

 

③羽田空港の増便に伴う新ルートについて

Q:2020年までに羽田空港の国際線を増便するために、都心上空を低空飛行する新ルート計画について、落下物の危険性や騒音を心配する声がある。

5月24日に熊本空港を離陸した航空機から飛散した金属片で、車両や建物の窓ガラス等が破損するという事故が発生。この事故を受けて、豊島区長は原因究明、再発防止策、情報公開を強く求める要請文を国に送ったと公表。都は議会質問に「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会で地元の意見を取りまとめる」と答えた。

73万区民の命を守る自治体の長として、都心上空を低空飛行する新ルート計画について、落下物の危険性や騒音を心配する区民の声を受け止め、計画の見直しを求めるべきではないか。

 

A(環境部長):区としては、必要な要請を行ってきた。これからも落下物、騒音対策の確実な実施や、区民への更なる周知などを求めていく。安全を確保した上での羽田空港の機能強化は、東京都の国際競争力を高め、都民の利便性の向上に必要で、見直しを求める考えはない。

 

2 地域包括ケアについて

Q:区内25か所の旧「高齢者相談センター」は、4月から「地域包括支援センター」へと名前を変え、全所で「医療・介護連携推進員」、「認知症地域支援推進員」を配置し、「訪問支援事業」を開始した。介護が必要な当事者や家族の多くが、センターの所在や介護認定、住宅改修などの相談機能があることを知っている。しかし、必要がない人には「無関係の場所」になっている。特別養護老人ホームなどに併設されているセンターは「相談に行きづらい」、「公的な相談場所という認識が薄い」、「介護を受ける時に行く場所」と考えている人もいた。「地域包括支援センター」が自分や家族のことだけでなく高齢者に関する心配事を気軽に相談できる場所だということを広く知らせる工夫が必要。

外から見てもわかるような看板の設置など、知らせる工夫についての考えを聞く。

 

A(高齢者施策担当部長):利用しやすくするため、出張所跡施設などへの移転を進めてきた。「高齢者センター」と違いがわからないという意見があり、再編に合せて名称変更した。今年度から区内の診療所や薬局などでチラシを配布。看板やパンフレットなどに「医療と介護の相談窓口」を併記している。

 

Q:わたしたちはこれまで、職員がセンターで相談を待っているのではなく「困っていることがないか」「支援につなぐ必要はないか」などを訪問して対応するよう要望してきたので、訪問支援事業の開始は1歩前進だと捉えている。しかし、現段階の対象は、一人暮らしか夫婦や兄弟などの高齢者のみの世帯に限定されている。家族と同居していても日中は「一人暮らし状態」で、周囲が気付かないうちに認知症が進んでいたという相談を受けている。

今後は、訪問先の対象を「すべての高齢者」に広げる体制を整えるべきではないか。

 

A(高齢者施策担当部長):地域住民や事業者から寄せられた、高齢者のみ世帯以外の支援が必要な方の情報を活用し、訪問している。社会福祉士などの専任の専門職員を50人配置。訪問は1年間で1ヵ所800人程度が限度である。16万人全高齢者の訪問には、約250人の専門職の増員が必要で経費も膨大になる。訪問が必要ない方や嫌う方もいるので高齢者全員の訪問は現実的ではない。民生委員、町会・自治会、商店街、コンビニなどと協働による見守りネットワークを充実させることが効果的と考える。

 

Q:国は「我が事・丸ごと」「地域共生型社会」を強く打ち出している。しかし、単なる人材確保策、規制緩和、財政削減策として、地域のボランティアを活用した「安上がりな福祉」の押し付けになってしまうことを危惧する。住み慣れた地域を住み続けたい地域にするためには、歩いて行ける範囲に福祉の拠点が必要。高齢者・子ども・障がい者、介護する側・される側など一人ひとりの困りごとをワンストップで受けとめる場所が求められている。

2016年度から大泉地区で、2017年度から豊玉地区で、社会福祉協議会が中心となって高齢者、子ども、障がい者を支援する事業者が話し合う「生活支援サービス充実のための協議体」が開催されている。参加事業者からは、地域にどのような資源や活動があるのかわかり、有効な交流だと聞いている。

区はどのように評価し、今後どのように取り組んでいくのか。

 

A(高齢者施策担当部長):生活支援コーディネーターや地域包括支援センター、地域のサービス提供団体が課題を共有し、連携を強化する場である。「団体同士で相談し合えるようになった」「介護、障がいなど複合的な課題を持つ方への支援が円滑になった」などの声が寄せられている。区全域を対象とした協議体と日常生活圏域のうち練馬・大泉地域で地域別の協議体を開催。光が丘、石神井地域の設置に向けて検討中。

 

Q:この協議体を区内全域で展開し、地域包括ケアのしくみを構築していくべきと考える。「地域包括支援センター」を地域福祉の拠点とするために、現在の25か所から歩いていける範囲である中学校区34か所に増やし、「生活支援サービス充実のための協議体」を各センターで開催することを求めるが、区の考えを聞く。

 

A(高齢者施策担当部長):地域包括センター単位で、地域ケアセンター会議を今年度新たに設置した。地域団体同士の関係づくりや地域課題の共有をしているので、協議体を開催する考えはない。地域包括支援センターに職員を増員し、地域関係者とのネットワークによる支援を充実するので、センターの増設は今のところ考えていない。

 

3 住まいの確保について

Q:わたしたちは、高齢者、障がい者、子育て世帯、低所得者、被災者など、賃貸住宅市場で住宅確保に困難を抱えている「住宅確保要配慮者」の住まいの確保に向けて、居住支援協議会の設置を求めてきた。区は入居支援について不動産関係団体や福祉団体との具体的な方策について協議すると答えたが、意見交換にとどまっている。都は地域の実情に応じたきめ細かな支援をおこなう区市町村の居住支援協議会が重要と考え、協議会設立に財政面の支援をおこなっている。

家主に入居希望者を紹介、空き家・空き室の改修・活用の相談対応、入居希望者に受け入れ可能な住居の紹介、福祉サービスの紹介・提供、住まいの相談対応など「住宅確保要配慮者」の住まいの確保に向けて居住支援協議会の活動や役割が期待されている。

区は、関係団体との意見交換のなかで協議会設立についてどのような課題を把握しているのか、協議会設立の見通しをどのように考えているか。

 

A(技監):「高齢者が入居時に亡くなったときの対応」「家賃滞納」などが賃貸住宅所有者の不安。課題解消に向けて連携した取り組みについて協議している。協議会の担える役割などを検討中。

 

Q:新たな公営住宅の増設が難しいなか、民間の空き家・空き室は増え、活用が求められる社会へと変化している。区営住宅のペアリフォームで、ひとり暮らし高齢者の住まいの確保に取組んでいる。改修可能な住戸が空き室になると、約61㎡の3DKを30㎡の1DKに改修。工事費用は1か所、約1,500万円。対象の住戸すべてを改修するには時間もかかり、工事費の上昇も予想される。ペアリフォームは見直し、区営住宅は子育て世帯の入居を優遇し、所得層の幅も広くするべき。区営住宅だけでは、ひとり暮らし高齢者の低家賃住宅の需要に対応できないので、民間賃貸住宅の活用促進を充実させる家賃補助などで対応することを検討してはどうか。

 

A(技監):低所得で住宅に困窮している単身高齢者の需要に応えるため、ペアリフォーム工事は継続する。公営住宅の入居希望高齢者が民間賃貸住宅に入居している一定期間は家賃補助をしている。子育て世代には、所得制限の緩和や若年ファミリー向けの募集区画を設けるなど配慮して募集している。

 

4 海や川のプラスチック汚染について

Q:わたしたちが提案してきた容器包装プラスチックのリサイクルに区も取り組んできたが、課題は容器包装プラスチック以外のプラスチックを燃やしていることだ。その結果、清掃工場からはダイオキシンや水銀などの有害物質も検出されるようになり、区内に2ヶ所の清掃工場がある練馬区でも問題となった。

そしてここ数年、世界中で海ごみが問題となっている。2016年に開催された「世界経済フォーラム年次総会」ダボス会議では、さらにプラスチックのリサイクルをすすめないと2050年には世界中の海に漂うプラスチックごみが魚の量を上回る、と報告された。今の海ごみの80%は、生活圏から川を通して海に運ばれたもので、日本の海岸に漂着しているごみの約半分がレジ袋等のポリ袋やペットボトルだ。

国や都は回収や処理、発生抑制など海ごみの対策に取り組んでいるが、区として現状をどのように認識しているか。

 

A(環境部長):海や川のプラスチックごみが増え、生態系に悪影響を及ぼしていることは、重要な課題と認識している。日常生活から発生するものが多く、ごみの発生抑制、資源化、適正処理と、ポイ捨ての防止に取り組むことが重要である。

 

Q:多くの海洋生物の胃袋からごみ袋やプラスチック破片が出ている。特にプラスチックごみが劣化したり、波や海岸で砕かれることにより、直径5mm以下のマイクロプラスチックとなり、拡散して魚介類の体内に取り込まれてしまう。プラスチックは燃やせば大気汚染、捨てれば海洋汚染と深刻な状況を生んでいる。

日本では一人当たり年間300枚のレジ袋が使われていると報告されているが、イギリスやフランスなど、レジ袋禁止を決めた国もある。また、アメリカやインドの一部の自治体では使い捨てプラスチック製品そのものの使用を禁止している。増え続けるプラスチック製品を大量に使ってリサイクルするのではなく、大人も子どもも「レジ袋は使わない、使い捨てのプラスチック用品は買わない」など「生活を変える」ことが大切だ。

レジ袋削減に向けて区はどのように取り組んでいるか、また、レジ袋有料化についてどのように考えているか。

 

A(環境部長):レジ袋を受け取らない、マイバックの持参を呼びかける消費者の意識啓発に取り組んでいる。都が有料化等によるレジ袋削減に向けた取り組みを進めるための会議の設置をめざし、関係団体や自治体などと意見交換会を行っている。都の議論の動向を踏まえ、他区と連携して取り組む。プラスチックごみの減量とリサイクルを働きかけていく。

 

Q:区は海に面していないが、石神井川、白子川が流れている。石神井川は東京都の河川水面清掃の対象となっていて、定期的に清掃されているが、白子川は対象になっていない。

白子川を守ろうと清掃をしている地域のグループもある。このような地域住民の協力も得ながら、川から海へのプラスチックごみの流出を防ぐ活動への呼びかけをする、また、ポイ捨てが川を汚し、海ごみになることを考える環境学習にも力を入れる、など積極的に海ごみ対策に取り組むべきだが、区の考えは。

これこそ「区民との協働」である。

 

A(環境部長):地域の環境美化活動を行う団体への支援、小学校でのふれあい環境学習、リサイクルセンターでの講座やイベントなど、啓発活動をとおして発生抑制に努めている。ペットボトルの街区路線回収、それ以外のプラスチック製品を可燃ごみで収集する分別回収を行っている。消費者だよりぷりずむ、講演会、パネル展示などによる周知も図っている。

 

5 保育について

Q:今年4月現在の保育所の待機児童数は79人と報告された。しかし、この中には認可保育園に入れなかったために認可外保育施設に入れた、育休を取った、などの人数は入っていない。これを含めると実際に保育園に入れなかった本当の待機児童は978人にもなる。区は一昨年から「待機児童ゼロ作戦」を実施しているが、実態を真摯に受け止め、数字がゼロになることだけを目的としている考えを改めなければ本当の待機児童解消にはいたらない。

今年4月から新たに始めた3歳児1年保育は定員80人のところ、4月1日現在36人だ。区はあくまで認可保育園に入れるまでのセーフティネットで「通常の保育とは異なる」と言いながらも待機児童とは考えず、入園できた数に入れてしまうことは認められるものではなく、このような保育を行うこと自体、子どもや保護者の人権に関わる問題である。

3歳児1年保育を受け入れる幼稚園では、保育園のお昼寝の時間に、幼稚園の先生が気を使って子どもたちに静かに過ごすよう呼びかけ、子どもたちの活動が制限されていることや、4、5歳児向けに作られた遊具で3歳児が遊んで大丈夫なのか、など保護者の不安の声が届いている。保育園、幼稚園どちらの子どもにとっても決して良い環境とは言えない。

所信表明で「3歳児1年保育は、36人が利用しており、セーフティネットとしての機能を果たしている。」と言っているが、本来このような機能が必要ないよう努力するべきで、3歳児1年保育は辞めるべきではないか。

 

A(こども家庭部長):セーフティネットとしての機能を十分果たしている。待機児童に含めないのは国の定義に基づくもの。3年間の限定事業で、認可施設の整備に全力で取り組んでいる。

 

Q:杉並区は区独自の考え方として、育休を延長した場合やベビーシッター利用、求職中のひとり親家庭なども待機児童として捉え、施設整備や丁寧なマッチングに取り組んだ結果、今年度待機児童ゼロが実現している。また、豊島区や杉並区では妊娠届けの時に保育園を希望するかどうかや入園希望地域などの保育需要調査をおこなっている。世田谷区では60人の職員による保育園入園係の体制や、資産運用の不動産専門調査員を配置した民有地のマッチングで24か所保育園を増設するなどの積極的対応をしている。

区で出産前に職場復帰を希望するか、どの地域の保育園を希望するかなどの調査をすることも、ミスマッチを防ぐことや入園希望者数の見込みの把握に有効ではないか。

 

A(こども家庭部長):妊婦期からの保育ニーズの動向を調査することは有用な手段と考えており、調査の内容や方法を検討している。

 

Q:0歳から就学前までの子育ての環境は、保護者のニーズによって様々で、保育の時間や場所などはどうしても保護者の都合で決めることになるが、本来保育は行政や保護者の都合ではなく、子どもの権利の視点で考えるべきだ。「預かってもらえるだけでいい」ではなく、「子どもにとってどうなのか」を最優先に考え、切れ目のない、質の高い保育施設の整備は大前提である。さらに家庭で子育てをしていて、仕事をしていないことで社会から遅れを取っているような不安を抱いている母親や、ひとりで子育てを抱え、孤独や限界を感じている保護者への支援も必要。そして1日11時間も預けなければならない保護者の労働環境の改善を国に求めていくことも必要。

家庭、保育園、幼稚園、と子どもが育つ環境はそれぞれでも、子どもの最善の利益を根幹に据え、全ての子どもの育ちを保障する保育環境の整備を急ぐべきではないか。

 

A(こども家庭部長):待機児童対策をはじめとする子育て支援は、労働対策や児童手当など総合的な政策として国が取り組むべきもの。幼稚園を活用した、幼保一元化の実現も不可欠だ。引続き、国への要望、多様な保育・教育サービスを選択できる社会の実現に努める。

 

Q:目黒区で5歳の女の子が、虐待により命を絶たれるという痛ましい事件が起きてしまった。転居前の児童相談所では虐待の疑いで2度も一時保護し、さらに転居先の児童相談所でも家庭訪問していたにもかかわらず、救えるはずの命が救えなかったことは本当に悔しい思いである。児童相談所の対応の遅れによって、虐待で死亡する事件が増えている。また、虐待対応が増え、それ以外の相談に対応できないなど、職員の不足が指摘されている。

一方、地域では、子どもの育つ環境をまもろうと活動している団体や区民、児童民生委員などがいる。「児童相談所に相談、連携したいが、なかなか新宿までは行けない」「子ども家庭支援センターに相談しても忙しそうでじっくり話を聞いてもらえない」など、様々な声が寄せられている。子育て家庭や子どもの異変に気づき、早期に対応し、子育て家庭を孤立させない取組が必要である。区長は「児童相談所を区に設置しない、連携を強化して対応する」と頑なな姿勢だが、区長の独断で決めることではない。

一刻を争う虐待などの問題が起きた場合、連携強化で迅速な対応ができるのか、具体的な検証はされているか。また、子どもの命に関わる重要な問題として、児童相談所の設置に向けて、地域で支援活動をしている区民や団体と一緒に検討するべきではないか。

 

A(こども家庭部長):一刻を争う場合は、都児童相談センターや警察と連携して、速やかに対応している。虐待に対しては、都児童相談センターの広域的・専門的な支援と、区子ども家庭支援センターによるきめ細やかな支援が、最も効果的と考えている。児童相談所の設置に向けた検討を行う考えはない。

 

 

6 その他

関越道高架下に施設が開設され、1年が経った。地域交流ひろば開設1周年記念のお祭りが、管理運営を委託している大泉運動場等管理運営委員会の主催で4月に開催された。

太鼓の演奏の音が高架下ということもあり大きく響き、近隣の住民が驚いて主催者に話したが、2回目もおこなったそうだ。私が現地に行ったときには事情を聞きに警察も来ていた。近隣の方たちは、お祭り自体は子どもたちの楽しみでもあり、反対ではなかったのである。ただ、事前に音の確認をし、近隣へ知らせておくなどの配慮が必要だった。また、易燃性のものは使用禁止の占用許可基準を知らずに自家発電機を使用する予定だったが、ネクスコから止められ、急遽変更していた。委託先に占用許可基準を守らせるのは、区の責任である。

これらのことについて近隣の方は区と管理運営委員会に抗議文を送ったが、管理運営委員会からは全く回答がない。また、区からの回答には近隣に迷惑をかけた謝罪の言葉はなく、太鼓の演奏の評判が良かったことや、今後のイベントに関しても「ご理解とご協力を賜る」と書かれているだけだった。

ここは区長も認めている「閑静な住宅街」。区長には、区民の生活権を守る責任もある。町会の自主性に任せると丸投げするのではなく、地域住民の声に真摯に向き合い、解決に努力すべきである。

大事なことは「区長」ではなく「区民が」決める練馬の自治を求める。