2017年12月5日 橋本けいこ 一般質問

1、区長の基本姿勢

 

Q1 今年5月安倍首相が9条に自衛隊を明記すると述べ、自衛隊法を改定し、陸上自衛隊を総隊制に移行した。朝霞駐屯地に戦前の陸軍参謀本部に匹敵する総隊司令部が新設され、日米共同演習強化が図られようとしている。区長はこのように防衛省内部で進んでいる陸上自衛隊軍事力強化の動きをどこまで把握しているのか?住民に対してどのように情報提供するのか?

 

A 陸上自衛隊を総隊制が編成され、朝霞駐屯地に司令部庁舎が新設される。庁舎建設にあたっての地域住民への説明会が実施されたことなど、区に情報提供があった。住民への情報提供は国においてなされるものと考える。

 

Q2 光が丘図書館前の平和祈念碑には「戦争の悲惨さと平和の尊さを心に刻み平和を守る決意を新たにしたい」と記されている。安保関連法により憲法が骨抜きになり、戦争への道が準備されている状況だが、憲法と共に成長した区長の平和を守る決意は?

 

A 区は非核都市練馬区宣言の区ホームページや便利帳などでの周知、非核都市宣言

パネルの区立施設への設置、核実験に対する区長の抗議声明、これらの平和推進事業を引き続き実施する。

 

Q3 区は、今年4月練馬区が目指す「まち」の将来像をまとめた「(仮称)都市のグランドデザイン」を策定すると発表した。「練馬区基本構想」「みどりの風吹くまちビジョン」「グランドデザイン構想」はどのような関係にあるのか、明確に答えよ。

 

A 「グランドデザイン構想」はいわゆる行政計画ではないため、全ての施策を網羅するものではない。実現に向けた具体的な取組等は「みどりの風吹くまちビジョン」を改定しながら明らかにする。「基本構想」については、今後見直しが必要と考える。

 

2、若年性認知症支援施策について

 

Q4 現在区内には、若年認知症専門のデイサービスは定員7名の1か所しかない。

人口も多く、面積も広い練馬区には、若年認知症に専門的に対応する施設が複数必 要だが、区の認識は?

 

A 区内若年性認知症専門ディサービスでは利用枠に空きがあり、利用希望者の受け入れは可能と聞く。練馬介護人材育成・研修センターと連携し若年認知症への理解を深め、支援力向上研修を実施、受け入れ体制の充実に取り組む。専門ディーサービス整備の考えはない。

 

Q5 区は、2012年に若年認知症の支援に関するアンケート調査を行っている。調査当時から「高齢者向けサービスの適用拡大」が要望のひとつとしてあげられていた。紙おむつの現物支給や費用助成の切実な要望が届いている。当事者や家族の要望や課題を受けとめ、策定中の次期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画に具体的に示すべきだが、どうか?

 

A 若年性認知症の生活支援の充実については、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定をすすめるなかで、紙おむつの支給も含めすでに検討をおこなっている。

 

3、障がい者の地域生活について

 

Q6 石神井町福祉園用地に建設される重度障がい者向けグループホーム整備に加えて、新たな施設建設が必要。緊急一時保護では、現在の体制の充実だけでなく、医療ケアの必要な障がい者(児)へ対応できる施設整備が求められる。第五期障害者福祉計画、第一期障害児福祉計画では、どのようなサービス供給量を見込み、計画に盛り込むのか?

 

A 新たに北町の都有地を活用し整備を進めている。医療ケアの必要な障がい者の緊急一時保護には、医療体制の整う東京都北療育医療センターや心身障害者総合慮行くセンターなどと連携し受け入れている。第五期障害者福祉計画、第一期障害児福祉計画では、2020年までのサービス供給見込み量の目標を示す。

 

Q7 厚労省がまとめた「2016年度使用者による障害者虐待」は通報・届出のあった事業所数は1316であり、東京都労働基準局から区内では2件と報告されている。これまで区は、雇用者から障がい者への虐待にどのように対応したのか?

 

A 雇用されている障がい者の虐待については東京労働局が所管。障がい者本人から区に訴えがあった場合は、区は事業主に対し、助言をおこなっている。状況によっては警察と連絡していく。

 

Q8 雇用者から障がい者への虐待事案について、国の行政機関からの助言等を受けても、事業者に改善が見られない、あるいは、当事者である障がい者が不服の場合、区はどのように支援をするのか?昨年改訂された障害者雇用促進法では、障がい者、事業者双方が納得するための第3者機関によるあっせんは規定されていない。そのため雇用の場での障がい者の権利を守るには十分ではない、との指摘がある。区は事業者への助言や勧告によって解決しない事例に備え、あっせんまで責任をもって支援する区独自の救済制度をつくるべきだが、どうか?

 

A 障害者雇用促進法は、差別の禁止について規定している法律。障がい者虐待は東京都労働局法規等に基づき、助言又は勧告をおこなう。改善されない場合は個別労働関係紛争解決促進法に基づき、あっせんや調停がなされる。法の中で権利は保障され、区独自で救済制度を作ることは考えていない。

 

4、練馬城址公園について

 

Q9 「みどりの風吹くまちビジョン」では、区の求める機能を東京都に要請するには、区民の意見を踏まえて検討することになっている。しかし、多くの区民は「としまえん」が都立公園になるということを知らない。今後、区民・住民への情報提供をどのように進め、住民意見をどのように把握するのか?

 

A 今後都との連絡を一層密にして、タイミングを逸することなく住民意見を聞く。

 

Q10 公共施設である公園づくりには住民の参加・参画が不可欠。住民主体の協議体が必要だが、設置の予定はあるか?

 

A  整備主体はあくまで東京都。公園づくりに関して、住民主体の協議体を区で設置する考えはない。

 

Q11 すでに都との情報連絡会が始まっていると聞くが、区の要請に対する都の見解は?

 

A 都が策定する整備計画に区の要望をできる限り反映させるため、「情報連絡会」を中心に情報共有・意見交換をおこなっている。都からは具体的な整備スケジュール、整備内容が示されていない。

 

Q12 2015年から民間調査会社に委託している検討報告によれば『アリーナ建設が最も望ましい』とのことだが、公園法、建築基準法、財源確保における課題にどう対処するのか?

 

A  区の求める機能を取りまとめ、施設の整備も含めた諸課題について、都と協議していく。

 

  • 中高層住宅の防災について

 

Q13 区は「中高層住宅の防災については個人の希望で住んでいるのだから、基本的 に自助だ」と言っている。理事会や管理組合、防災会が結成されていて、災害時の対策についてしっかり話し合われているところはわずか1割で、日ごろから顔の見える関係が全くなく、防災会もない、具体的にどのような被害がおこり、どのような対策が必要なのかを知らない、という居住者は多い。区民の命を守るという視点から「住む人の勝手」ではなく、日常的に居住者に防災意識を高めるはたらきかけが必要だが、区の考えは?

 

A 「中高層住宅の防災については個人の希望で住んでいるのだから、基本的に自助だ」という話は、区として誰がどこでそういう発言をしたか示してほしい。根拠なくこの議会の場で話されているのであれば、問題。

 

※区が事実確認を怠り、私たちが虚偽の発言をしたかのような答弁をしたことは問題であり、区長に対し抗議文を送り、回答を求めました。詳細は生活者ネットワーク議員のHPに掲載していますので、お読みください。

 

Q14 11月におこなわれたねりま防災カレッジの中高層住宅向け防災講習会は、「講習会の開催を知らなかった」という声と同時に、参加者からは「聞いてよかった」の声もあった。今後、中高層住宅単位での講習会や避難訓練を区が管理組合にはたらきかけ、防災会のないところは結成を促すべきと考えるが、区の考えは?

 

A 中高層住宅への働きかけは既におこなう。防災会は100団体登録し活動。防災会の結成を促すため、中高層住宅の防災対策ガイドラインブックに手順を掲載、個別相談をおこなう。防災カレッジで防災会の中心となる人材を育成している。

 

6、病児・病後児保育について

 

Q15 2016年度におこなった、子ども・子育て支援事業計画の中間見直しに向けたニーズ調査の結果では、定期的な教育・保育の事業を利用している保護者の83%が、1年間に「子どもの病気やけがで事業を利用できなかったことがある」と回答している。

預けなければ仕事ができない、母親が休まざるを得ない、といった現状では喫緊の対応が求められている。病児・病後児保育について、今回のニーズ調査の結果を中間見直しにどのように反映させていくのか?

 

A 近年の保育需要の増加に伴い、利用件数も増加傾向にあり、昨年度実施したニーズ調査においても高い需要を示す。「子ども子育て支援事業計画」の中間の見直しをおこなう将来の需要量を把握する。

 

Q16 登録は保護者が直接施設に申請するため、区は各施設の登録者数やキャンセル率などを把握していない。区の支援事業であるならば、登録者数や、キャンセルが何人くらい発生しているのかを把握するべきだが、区の考えは?

 

A  先月、施設の円滑な運営とサービスの向上を目的に「病児・病後児保育施設連絡会」を開催、課題の共有や登録者数や施設の稼働率など情報交換した。

 

Q17 申込方法も保護者の負担を少しでも軽減するよう工夫するべき。

例えばインターネットや電話ですべての施設の空き状況を調べ、登録している施設以外でも空きがあれば、当日でも申し込めるようにする、というシステムにすれば利用しやすくなり、施設の運営にも一定の効果があると考えるが、区の考えは?

 

A  今後連絡会においてICTによる利用申込の検討とともに、キャンセル枠の有効活用を図るため、空情報の提供を全施設に拡大し、保護者が利用しやすくなるよう制度の充実に努める。

 

  • まちづくり条例について

 

Q18昨年度区は33件のワンルーム形式の集合住宅、いわゆるワンルームマンション建設に、区の条例は「一住戸あたり専有床面積を25㎡以上」と規制するが、他区に比べゆるいので80戸100戸以上の大型建設が続き、住民とのトラブルが起きている。まちづくり条例について、住民の意見を聞き、住民参加による見直しをすべきだが、どうか?

 

A ここ数年区内に置いてワンルーム住戸のみの大規模な計画が見られるようになり、多数の単身者世帯が居住することによる、地域住環境への新たな問題が生じている。多様な世帯が居住するよう、ファミリー向け住戸の付置義務を加えるなど条例で定める基準の見直しをすすめる。

 

 

  • 羽田空港増便問題について

 

Q19 国交省は、羽田空港機能強化の取組をより多くの方々に周知するため、要望があれば「情報発信拠点」を設置すると7月に自治体向けに発表した。豊島区では区庁舎を会場として11月下旬に3日間開催した。練馬区も「情報発信拠点」庁舎内に設置して、羽田空港の増便によるルート変更や落下物、騒音などの影響をより多くの区民に知らせる機会を作ることが必要である。少しでも早く庁舎内での「情報発信拠点」の設置を要請し、区民への周知を図るべきと考えるが、どうか?

 

A  移動型の情報発信拠点の設置は、情報提供の一貫として、国が実施するもの。練馬区への設置は区から要請をしている。現在、国において実施の調整をしている。

 

Q20 豊島区の「情報発信拠点」では、これまで国交省が発行した資料やオープンハウス形式の説明会場で使用したパネルなどの情報が見られる端末や、飛行機の飛行映像や音の影響を体験できる機器等が設置されていた。しかし、国交省から派遣されるのは、要員1名だけで、質問はオープンハウスか、問い合わせ先に電話するように指示された。これでは、その場で感じた区民の疑問や不安に応えることはできない。専門の職員を配置することを国に求めるべきだが、どうか?

 

A  移動型の情報発信拠点は、設置する機器等の操作説明員を配置し質問や相談等があった場合、国の相談窓口を案内する。適切な対応であり、区として職員の配置を求める予定はない。